ガーナの学校向けICT教材開発~青年海外協力隊活動紹介[2]~

はじめに
オチデン(元気ですか)? Adjoaです。私は、2014~2017年までの2年6ヵ月間、青年海外協力隊としてガーナに派遣されていました。
青年海外協力隊員には必ず、配属先があります。私は「Kings Technical Vocational Institute(キングス技術職業訓練校)」という学校に配属されました。そこで行っていた活動は、主に3つあります。1.通常の授業、2.教材開発、3.備品管理の3つです。本日は、青年海外協力隊として私がガーナで行っていた活動の1つ「教材開発」をご紹介します。
これから青年海外協力隊に応募または参加する、という方のご参考になれば幸いです。
ガーナのICT教育の実態
ガーナの学校では、小学校からICTが必修科目となっています。しかし、必修科目だからといって、子どものときからパソコンのスキルが身についているというわけではありません。
必修科目とはいえ、必要な教材が揃っている学校は少数派です。ほとんどの学校では、パソコンなどのIT機器を用いることなくICTを勉強しています。
幸運にもパソコンを持っている学校でも、停電になるとパソコンを使用することができなくなります。ガーナではデスクトップ端末が主流で、バッテリーもないので停電になるとすぐさま電源が切れてしまいます。ジェネレーターを保有している学校は、ごくわずかなお金持ちの学校だけです。
電気・端末不要な教材を
本来であれば、本物のパソコンを用いて学習するのがベストです。ですが、パソコンがあっても利用できない(可能性のある)環境下では、電気や端末がなくても学習できる教材が必要であると考えました。
そこで私が開発した教材は、以下のようなものがあります。
1) ポスター
MicrosoftのWordやExcelのハード画面を印刷して、大きなポスターにしたものです。停電や端末がない場合にも、画面をイメージしながら勉強できます。
学校にカラープリンターがない場合は、街の印刷屋さんやJICA事務所で印刷して作ります。

2) アイコンかるた
MicrosoftのWord、Excel、PowerPointのアイコンを学習する教材です。アプリケーションで用いられているアイコンを1枚ずつ絵札にし、かるたのようにしました。表面にはアイコンが描かれており、裏面にはアイコン名とショートカットキーが記載されています。読み手がアイコン名を言って、生徒たちはそのアイコンを探し、見つけたらとります。札をとったら、そのアイコンの機能を説明します。
これは、競争大好き・負けず嫌いなガーナ人の性格を活かして、彼らの学習意欲を高めることを目的として作りました。

3) 問題集
日本でもよくあるような問題集です。「VGAポートはどれでしょう?」とか、「保存のショートカットキーはどれでしょう?」といった一問一答形式です。
1.ハードウェア、2.Word Processing、3.Spreadsheetの3ユニットに分かれています。
生徒1人1人に配布するのではなく、学校の備品とし、生徒には自分のノートに解答を書くようにさせます。
なお、問題集を活用していただくために「学校対抗クイズ大会」を開催しました。5つの学校に問題集を配布し、1か月後に開催されるクイズ大会では、この問題集から問題を出題すると伝えました。そうすることで、負けず嫌いなガーナ人たちはクイズ大会での優勝を目指して勉強してくれる、という仕掛けです。

4) プリント
問題集には解答を書き込めないので、直接書き込みが必要なものはプリントにして配布をします。たとえばExcelのセルの概念を学ぶときには、イラストロジックのように、指定されたセルを塗りつぶすと絵が出てくるプリントを用意しました。
ただし、学校にプリンターがない場合も多いので、事前に別の場所(街の印刷屋さんや、JICA事務所など)で印刷しておく必要があります。
5) 小テスト
問題集とプリントの中間みたいなものです。定期テストとは別で、小テストを実施していました。
こちらも、事前にどこかで印刷しておく必要があります。
最後に
こちらでご紹介した教材は、すべてガーナの職業訓練校向けに制作したものです。学校の環境や生徒のレベル・性格によって合う・合わないがあるかもしれません。
本記事は2014/10~2017/3の状況です。現在の電力事情や学校の状況は異なる場合があります。