ガーナの学校のパソコン室備品管理~青年海外協力隊活動紹介[3]~

はじめに
オチデン(元気ですか)? Adjoaです。私は、2014~2017年までの2年6ヵ月間、青年海外協力隊としてガーナに派遣されていました。
青年海外協力隊員には必ず、配属先があります。私は「Kings Technical Vocational Institute(キングス技術職業訓練校)」という学校に配属されました。そこで行っていた活動は、主に3つあります。1.通常の授業、2.教材開発、3.備品管理の3つです。本日は、青年海外協力隊として私がガーナで行っていた活動の1つ「備品管理」をご紹介します。
これから青年海外協力隊に応募または参加する、という方のご参考になれば幸いです。
ガーナのパソコン室とは
ガーナでは、ICTが必修科目となっています。そのため、多くの職業訓練校にはパソコン室があります。
日本の学校とは異なり、ガーナのパソコン室は機器にとってシビアな環境です。
空調がないのは当たり前。暑いので窓と扉を開け放っていないと、熱中症で倒れます(開けていても汗ダラダラですが)。教室の扉を開けば廊下、ではなく外です。舗装された校庭などなく、そこは砂埃舞う庭。窓は密閉できるものではなく、隙間だらけ。校庭の砂が容赦なく教室内に吹き込んできます。開け放たれた扉からは、虫はもちろん、トカゲや羊、ヤギなどのお客様もやってきます。
このようにパソコンにとっては劣悪な環境の中で、いつパソコンが壊れてもおかしくない状況でした。
その上、パソコン室を開けっ放しで誰もいないという状況もよくあり、頻繁に備品が盗まれていました。

パソコン室の備品
パソコン室にあるのは、故障したパソコンの山と、数台の使用可能な端末。机と、明らかに生徒の数に対して少ない椅子。ボロボロの黒板。以上。
学校側から、これらを適切に管理してほしい、という要望がありました。要するに、壊れたパソコンを修理して使えるようにしてほしい、ということでした。
備品管理
パソコンの修理
さっそく私は壊れたパソコンの修理を試みました。調べてみたところ、壊れているのはマザーボードが電源装置という端末がほとんど。パソコンは一度に購入したものではなく、中古品だったり、どこかから寄付されたりしたものばかりなので、同じ型の端末は一台もありません。壊れたもの同士で部品の交換をして使用できるようにしたかったのですが、交換できるものがありませんでした。

備品一覧表の作成
パソコン室にある備品を一覧表にまとめ、各備品にはナンバリングしたラベルを貼りました。
紛失しても良いくらいに故障している端末については、(あまりに多すぎたので)対象外としました。
備品持ち出し管理
作成した備品一覧表に、持ち出し記録をつけるように記入欄を付けました。何月何日に誰が持ち出したのかと、返却予定日も記入します。どの端末がどこにあるのかを把握するためです。
結果
この備品管理方法は、まったくうまくいきませんでした。
パソコン室から数分でも備品を持ち出す際には、教員でも生徒でも、必ずICT教員に許可をとり、管理表に記入するようにと伝えました。その場では、「OK, madam」と言っていたのですが、そのすぐ後、ICT教員が何も言わずにノートパソコンを持ち出していました。「管理表に記入してね」と伝えると「すぐ返すから」とか「ICT教員はいいだろう」と言われ、結局管理表に記入してもらえませんでした。その後も生徒が来て備品を勝手に持ち出し、何度言ってもまったく管理表は定着しません。
結局、私は諦めました。
備品管理を要請したのは校長先生です。でも、現場ではそういった備品の管理を求めていないと感じました。現場が求めていないのなら、無理してやらなくても良いと思ったのです。
やっておけばよかったこと
備品管理で、1つ、やっておけば良かったと思ったことがあります。それは、MACアドレスの記録です。
あるとき、学校のノートPCが1台紛失しました。それは、過去の青年海外協力隊員が学校に寄付したものでした。
誰に聞いても端末の行方を知らないと言い、私は諦めていました。ところが数か月後。偶然訪れた生徒の自宅で、私はそれを発見しました。キーボードは日本語で、どう見てもあの紛失したパソコン。生徒に聞くと、「マーケットで自分で買った」と言い張りますが、珍しいタイプ(一時日本で流行った小さいタイプのノートPC)のパソコンだったので、間違いなく盗まれたものだと思いました。生徒から奪い、学校に持って行って同僚に見せると、みんな「あのパソコンに間違いない」と言います。しかし、決定的な証拠がありません。そのとき、「MACアドレス(端末ごとに一意の番号)を控えておくべきだった」と強く思いました。
まとめ
青年海外協力隊では、必ず配属先からの要請内容があります。そこに書いてあるからと言って必ずやらなくてはいけない、ということはありません。要請内容は、配属先のトップとJICAのスタッフが話し合って作られます。私の例ように、現場ではそれが求められていない、ということもあるでしょう。
逆に、活動してみると、要請内容にはなくてももっと必要だと思うこともあります。私が行った教材開発がまさにそれでした。
大切なことは、まず要請内容にあることをやってみて、その活動が本当に必要かどうかを見極めることだと思います。