国際協力について考えるワークショップのやり方

はじめに
メマオアチ(こんにちは)。Adjoaです。私は青年海外協力隊の経験者で、学校などに出向いて国際理解の授業をする機会があります。そこで本日(2/23)、オンラインで「第7回JICA国際協力出前講座授業力アップセミナー【特別編】」を受講しました。セミナーで学んだ内容をこちらに記録します。
青年海外協力隊の経験者や、多文化理解授業を実施する方法を知りたい方の参考になれば、幸いです。
講座の概要
- 日時 :2021年2月23日(火) 13:00~16:00
- 主催 :JICA東京
- 講師 :かながわ開発教育センター(K-DEC) 木下理仁先生
- 内容 :国際協力について考えるワークショップを体験し「参加型学習」の作り方・進め方を学ぶ
- 会場 :オンライン(Zoom)
なぜ講演ではなくワークショップなのか
国際理解教育の出前講座は、なぜワークショップ形式にする必要があるのでしょうか? 講師が体験談を話すような「講演会」ではだめなのでしょうか?
講演がだめというわけではありません。講演会を聞いて「私も世界を見てみたい! 世界で活躍したい!」と感じて、人生が変わるという人もいます。
講演とワークショップの差は、単に授業のスタイルが異なるだけです。講演だと、講師が一方的に話をして生徒は受動的になります。もちろん、講師が聴き手に問いかけをする場合もありますが、講師と聴き手とのキャッチボールだけになってしまいます。参加者同士での意見共有はありません。
一方でワークショップだと、参加者同士のキャッチボールも発生し、正解は1つだけではなく、多様な意見に気づくことができます。
ワークショップの例
1. 村の10年後を考えてプロジェクトを選ぶ
もし自分が、電気も水道も舗装道路も通っていない村の住民だったら、どれを支援してもらいたいか? という問いに対して考えてもらうワークショップ。
まず「発展」とは何かを各自できるだけ具体的に考えてもらい、それからプロジェクト(水道、電気、道路)を1つ選択します。さらに、数名のグループになり1つの村に見立てて、意見をまとめます。
2. 動画を題材にしてディスカッション
動画を題材に、自分だったらどうするかを考えて議論するスタイルのワークショップ。題材となる動画は、正解のない問いに対して考えさせるようなものが適しています。
たとえば、日本の高校にブラジル人の女子が転校してきた場合。ブラジルではピアスが女性の印ですが、その高校では校則でピアスをしてはいけないことになっています。その場合、ブラジル人女子の転校生はピアスを外すべきか否か? という問いに対して自分がクラスメイトならどう考えるか、という問いなど。
題材の例
- ココロ部「外国から来た転校生」
- Born with it
ちなみに動画は引用程度なら、教育現場で利用しても著作権には引っかからないそうです。
3. フォトランゲージ
「世界の食卓」という本を使用し、さまざまな国の家庭の写真を見てもらい、「もし自分がその家庭に1週間ホームステイしたら?」を考えてもらうワークショップ。
事前に「その家族が大切にしているものは何?」とか「お別れのとき、家族から何をもらった?」といった、生徒に考えてもらいたい問いのワークシートを用意しておきます。
ワークショップで大切なこと
1. 問題の核心に迫るための問いを見つける
問いはどんなものでも良いわけではありません。問題の核心に迫るような問いである必要があります。そのためには、以下のことに留意して問いを設定する必要があります。
- 問いが具体的である
- 参加者が自分事として考えられる
- いくつかの問いを重ねることによって議論を深めていける
- 参加者の特性(知識、経験、話し合いのテーマへの関わり、お互いの関係性、その場の雰囲気)に合った問いにする
2. 活発で創造的な話し合いが行われるよう、話し合いの方法を示す
ワークショップでは活発で創造的な話し合いができるほど、より良いものになります。そのためには、講師は以下のことに留意して話し合いの方法を示しましょう。
- 1人1人が自分の考えを持ち、全員が話し合いに参加できる
- 参加者の特性に合った方法を選ぶ(小学生、高校生など)
感想
今回の講座は、これまでに受講してきた全6回のJICA国際協力出前講座授業力アップセミナーの総集編のような内容でした。すでに学んだ内容がほとんどでしたが、良い復習の機会になりました。
私はどちらかというと講演会スタイルの出前講座が得意なのですが、そろそろ新しいスタイルに挑戦したいと思っていました。今後は相手のニーズに応じて、参加型授業を希望される場合にはワークショップに挑戦してみたいと思いました。