地域日本語教室ボランティア養成講座[3日目]で学んだこと

はじめに
エティセン(元気ですか)? Adjoaです。
私は現在、長野県木曽町にて地域おこし協力隊として活動しています。任期終了後には、国際交流や外国人をサポートするための団体を立ち上げたいと考えています。事業の1つとして、日本語教室も検討しています。そこで今回、「地域日本語教室ボランティア養成講座」(全3日間)を受講することにしました。
地域日本語教室ボランティア養成講座[3日目]で学んだことをこちらに記録します。この講座を聞き逃してしまった方や、日本語教室ボランティアに興味のある方のご参考になれば幸いです。
講座の概要
- 日時 :2021年1月23日(土) 10:00-16:00
- 主催 :聖心女子大学グローバル共生研究所
- 講師 :和泉智恵氏・中川美保氏(聖心女子大学)/奥野由紀子氏(東京都立大学)
- 内容 :女性が多い日本語教室・ムスリム女性のための日本語教室の特徴/言語習得のしくみ
- 時間 :5時間
1. 女性が多い日本語教室
日本語教室が「女性限定」としているわけではなく、たまたま女性のほうが日本語教室に積極的な傾向がある。
日本人と結婚した外国人女性や、夫婦とも外国人で旦那さんの仕事で日本に来ている女性が多く日本語教室に通っている。技能実習生などもいる。
東京都渋谷区・港区の場合、お店や学校でも英語が通じるので、日本語がわからなくても日本語で生活に困ることはあまりない。そのため、生活のためというよりは学習したい、友達を作りたいという動機で参加する人が多い。
2. ムスリム女性のための日本語教室
ムスリムの場合、宗教の事情があるためにクリスチャンや仏教徒などの場合と違って様々な配慮が必要となる。そのため、群馬県館林市では「ムスリム女性限定」の日本語教室を作り、宗教的背景に配慮して、学習者もスタッフも全員女性としている。
群馬県館林市にロヒンギャ難民が集住していることから、ムスリム女性のための日本語教室が生まれた。
こちらの教室では、日本語で困ることなく生活できるようになることを重視し、語彙、文型、日本語的言い回しなどを教えている。
3. 言語習得のしくみ
知識の違い
- 明示的知識 :授業や教科書などで学習し、明確にそのルールが説明できる知識(例:あるといるの違いを説明できる)
- 暗示的知識 :明確にはそのルールが説明できないが、直感で判断できる知識(例:あるといるの違いは説明できないけれど、使い分けられる)
「わかる」と「できる」の違い
- 宣言的知識 :事実やことばの意味などの知識(わかる)
- 手続き的知識:知識を基にして実際に機能する(できる)
第二言語習得のプロセス
- インプット :読む、聴く
- アウトプット :話す、書く
- フィードバック:アウトプットに対して教師や仲間から反応がある →フィードバックがインプットとなり、1に戻ってループして言語を習得していく
言語習得の動機づけの種類
- 外発的動機づけ :試験や資格取得などのため
- 内発的動機づけ :マンガなど、その国の文化に興味がある
- 統合的動機づけ :その言語を話すコミュニティに参加するため
- 道具的動機づけ :進学や就職、キャリアップなど実利的目的を達成するため
- 第二言語の理想自己:将来こうなりたいという理想の姿と現在の自分とのギャップを埋めるため(その言語を話す自分が理想)
これらの動機は、複数を持ち合わせていることが多い。たとえば、英語を使って商社で働きたいから、TOEICで900点を目指す、といった場合には「外発的動機づけ」と「道具的動機づけ」が言語習得の目的となっている。
第二言語習得における個人差
- 母語と目標言語との言語的距離
- 学習時間
- 指導方法
- 学習環境(目標言語を日常的に使う環境かどうか等)
- 性格(おしゃべり、シャイ、等) ★
- 言語適性(記憶力等) ★
- ビリーフ
- 学習ストラテジー ☆
- 動機づけ ☆
★マークの付いているものは、言語習得に大きな影響を与えるもの。
☆マークの付いているものは、比較的、教育的介入が可能であるもの。
感想
日本語教室は、その地域に住んでいる人がどういう人なのかによって、ニーズが異なるということがわかりました。どこかの日本語教室を真似して作れば良いのではなく、まずその地域に住む人を知ることが大切だとわかりました。
海外に住んでいるときに、色んな日本人を見てきて「人によって英語の習得に向き不向きがある」とは思っていたのですが、実際にそうだという話を聞いたのは初めてでした。しかも性格や適性が言語習得に大きな影響を与えるという点は、驚きでした。
私は自他共に認める努力家であり、何かができないと、自分に対しても人に対しても「努力が足りないからだ! もっと努力しろ!」と思ってしまうところがあります(私の悪いところですね)。なので、人と同じくらい努力をしても習得が難しい人がいると知れたことは、収穫でした。これからは、少なくとも人に対しては、すぐに「努力が足りない」なんて思わないように気を付けます。