国際協力出前講座授業力アップセミナー「協力隊経験の伝え方」で学んだこと

はじめに
メマオアチ(こんにちは)。Adjoaです。私は青年海外協力隊として、2014~2017年までアフリカのガーナ共和国で活動していました。
先日(2022/05/25)、国際協力出前講座授業力アップセミナー「協力隊経験の伝え方」を受講しました。本記事では、講座で学んだことをまとめ、共有させていただきます。
これから青年海外協力隊体験談の出前講座をしようとしている方のご参考になれば幸いです。
講座の概要
- 日時 :2022年5月25日(水) 19:00-21:00
- 主催 :JICA東京 出前講座事務局
- 講師 :川崎芳勲 氏(2014-1/ウガンダ/コミュニティ開発)
- 会場 :オンライン(Zoom)
- 料金 :無料
0. 聴き手にとって「協力隊体験談」とは
そもそも講座の聴き手にとって、青年海外協力隊の体験談とは、どのようなものでしょうか。出前講座を行う場所を学校だと考えてみると、
外部講師=知らない人。
海外の話=知らない話。
つまり、生徒にとって青年海外協力隊の体験談は「知らない人の、知らない話」。最初から興味を持って聞いてもらえることなんて稀なのです。
だからこそ、体験談に興味を持ってもらう工夫が必要です。

1. 講座の内容を知る
いきなり体験談の準備をしてはいけません。まずは講座の内容を知るところから始めます。必ず確認すべきことは、以下の6つです。
- 聴き手はどんな人
- 学年(年齢)
- 人数
- 場所(教室、体育館、野外…)
- 時間(何時から、何分間)
- テーマ(SDGs、異文化理解、キャリア教育、体験談…)
これらを確認することで、どんな内容にするかが決まります。
2. 構成を練る
講座の要望内容をもとに、構成を考えます。聴き手が耳を傾ける話とは、以下のようなものです。
- シンプルでわかりやすい
- 共感できる
- 自分の身に置き換えられる
- 身近で知っている
この4つが満たされるように、体験談の構成を練ります。
3. 発表資料を作成する
人間が受け取る情報のうち、83%は視覚からという研究結果があります。体験談においても「見た目」は非常に重要です。発表資料は見た目重視で作ります。
資料作成時に最低限抑えるべきポイントは以下のとおりです。
| ポイント | 推奨設定 |
|---|---|
| ①フォント | メイリオ/游ゴシック/ヒラギノ角ゴ |
| ②文字サイズ | 20pt以上 |
| ③色 | 1スライド2〜3色まで/アクセントをつけたいもののみ色を変える |
| ④整列 | 写真、画像、イラストは揃えて配置 |
| ⑤補完素材 | 写真・画像・動画・アイコンを使用 |
| ⑥メッセージ | 1スライド1メッセージ |
4. つかみ
ベーシックな体験談の構成は以下のとおりです。
- つかみ
- 自己紹介・派遣国紹介
- 体験談
- グループワーク
- メッセージ
自己紹介の前に「つかみ」が入るという点がポイントです。前述のとおり、協力隊体験談は「知らない人の知らない話」です。いきなり自己紹介を始めても、興味がない状態では聴いてもらえません。まずは「聞いてみたい」と思ってもらうためのつかみから入ります。
つかみでは、「今日はこんな話をする」ということが伝わるような話をします。自分が任国で体験した話の中から、今日のテーマに沿うような例え話をすると、自然な流れになります。
さらに、この講義でどんなものを得てほしいのか(目標設定)を伝えます。

5. グループワーク
聞くだけの講座では「ふーん」で終わってしまいかねません。講座からより多くのものを得て持ち帰ってもらうために取り入れるのが、グループワークです。
協力隊体験談におけるグループワークのよくある例は、以下の3つです。
- 写真を見て考える :どんなシーン?日本・みなさんとの違いは?
- 映像を見て考える :どんなシーン? 日本・みなさんとの違いは?
- 音を聞いて考える :何の音? どんなシーン?

6. 締め
「締め」とは結論(落とし所)です。だから必ず入れます。
締めでは、この体験談を通じて伝えたかったことを伝えます。そして締めのメッセージは、1つだけにします。
締めで伝えるべきは「感情」です。聴き手が親近感を持つのは、人間の感情面です。「事実:感情=3:7」くらいのメッセージだと、良いバランスです。
受講した感想
出前講座を20回以上やってきても、まだまだ勉強が足りないな、と感じました。今回の講師の方は出前講座経験が120回以上もあるそうです。私の6倍近くやっているわけですから、それもそのはずです。
この講座の中で私が特に「これは良いな」と思ったのは「具体的な個人名を出す」という点。
体験談で任国の友人(私ならガーナ人)の話をするときには「彼」とか「この子」というのではなく「この、同僚の”フィリップ”が」とか「ガーナで1番の友達の”チャリティー”が」のような紹介をすることで、より具体性が出て、親近感も湧くということでした。
今までこれはしたことがなかったので、次回からはこの手法を取り入れようと思いました。
全体を通して大変勉強になりました。