2021年度国際協力連続セミナー第6回を受講して学んだこと

はじめに
メマオアチ(こんにちは)。Adjoaです。
先日(2021/11/25)、2021年度神戸大学連携国際協力連続セミナー第6回「なぜ他国の人々の開発・貧困削減を支援するのか」を受講しました。講座で学んだことをこちらで共有します。
講座の概要
- 日時 :2021年11月25日(木) 18:30-19:40
- 主催 :JICA関西
- 講師 :高橋 基樹 氏(京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科 教授)
- 内容 :なぜ他国の人々の開発・貧困削減を支援するのか
- 会場 :オンライン(Zoom)
- 料金 :無料
1. 他国の支援をする理由
利己主義的発想
他国の支援をする理由には、2種類の考え方があります。1つ目は、「援助は自国の利益を図るためのもの」という利己主義的発想です。
「最後のフロンティア」と言われるアフリカで経済成長・産業開発の支援を行うことは、日本の国益に繋がる。だから税金を使ってでも国際協力をする必要がある。という考え方です。
利他主義的発想
もう1つの考え方は、援助の目的は「あくまで他国の人々の困難を解決すること」という利他主義的発想です。
これに対しては、途上国における貧困削減・人間開発の支援をすることは途上国の先進国依存を招く、という否定的な意見もあります。
2. インフォーマルな活動
利己主義的発想と利他主義的発想のどちらが正しい、という答えはありません。そこで考えてみたいのが、アフリカにおける経済の構造です。
現在、アフリカにおける経済の8割が「インフォーマルな活動」と言われています。インフォーマルとは、政府が把握していない数字です。ここでいう「経済」とは、モノ・サービスを作り出し、それらを消費する活動を言います。
インフォーマルな活動は、主にスラムのような場で生み出されています。スラムは人口密集地であり、そこであらゆるものが生み出され、消費されています。そこが大きな「市場」であることは否定のしようがありません。
スラムでは(インフォーマルな)経済活動が活発に行われている一方で、環境問題が深刻となっています。
スラムにはゴミ収集の機能などありません。そうなると、ゴミは家の外にポイ捨てするしかありません。ポイ捨てされたゴミは堆積し、その上を人々が歩き踏み固められていきます。雨が降るとそれらのゴミは流されていきます。流されたゴミは家の前に水たまりと一緒に、ゴミ溜まりになります。ゴミ溜まりは商店の営業や、生活の障害となり、経済活動の妨げになります。
そして何より危険なのが、感染症です。そのような不衛生な場所は感染症の温床となり、スラムの人々を生命の危機に陥れることもあります。
このインフォーマルな市場のことを考えると、「利己主義的発想の国際協力」も「利他主義的発想の国際協力」も、どちらも必要であると思えてきます。
3. 他国の人でも、同じ「人」
人は、生まれる場所や時代を選ぶことができません。生まれてくるか否かを選ぶこともできません。ひょっとしたら、自分は平和な日本ではなく、戦争や飢餓に苦しむ国で生まれていたかもしれません。そう考えると、自ずと答えがわかるはずです。
同じ「人」だから、国とか関係なく支援を必要としている人には手を差し伸べる。世界で苦しんでいる人がいるのに、支援してはいけない理由がありますか? 最終的には、これが国際協力をする理由と言えます。
世界は繋がっています。自分の国だけの平和なんて、あり得ません。自分の国さえ良ければ良いだなんて、なんてエゴイストなんでしょう。国ごとのエゴを越えてこそ、真の平和が構築されるのです。
感想
勉強になりました。この講座を受講して良かったです。
そもそも、国際協力に否定的な意見を持つ人がいる、ということを私はこの講座で初めて知りました。国際協力なんて、否定のしようがなく素晴らしいことだとしか思っていませんでしたから。
この講座を受けた翌日に、私は青年海外協力隊体験談の出前講座の講師を務めました。そのときに、タイミング良くまさにこの講座のテーマである質問をいただいたのです。「日本にもたくさんの課題があるのに、なぜ日本は税金を使って他国の支援をするのか?」と。この講座のおかげで、私は困惑せずに済みました。もしこの講座を受けていなかったとしたら、「えーっと、草の根外交…?」くらいのことしか答えられなかったでしょうから。
今度国際協力に否定的な人に出会っても、自信を持って国際協力が必要な理由を伝えることができそうです。