講演会「今日からできるSDGs -消費者にできること-」を行いました

はじめに
Etse sen(元気ですか)? Adjoaです。私は現在、長野県木曽町にて地域おこし協力隊として活動しています。私の業務の1つに「木曽町におけるSDGs推進支援」があります。先日(2021/04/27)、「木曽町消費者の会 日義支部」様向けにSDGsについての講演会をやらせていただきました。そのときの内容をこちらに記録します。
SDGsに対して消費者としてできることを知りたい、という方のご参考になれば幸いです。
概要
- 日時 :2021年4月27日(火) 13:45-14:15
- 場所 :長野県木曽町 日義農村環境改善センター
- 対象 :木曽町消費者の会 日義支部様 (70~80代女性/約20名)
- 内容 :今日からできるSDGs -わたしたち消費者にできること-
- 時間 :30分間
講座の構成
- 発表者紹介 (5分)
- SDGsとは (10分)
- 消費者にできること (10分)
- まとめ (5分)
SDGsとは
SDGsは、Sustainable Development Goalsの略で、日本語では「持続可能な開発目標」と言います。
何を持続するのかというと、私たちの住む地球を、です。
私たちの生活は昔と比べるとどんどん便利になっています。たとえば、車。昔だったら街まで行くには歩いて1時間かかっていたところが、今では車を使って10分で行くことができます。
でも、私たちの生活が便利になる一方で、犠牲になっているものもあります。
昔、木曽では夏でも冷房がなくても快適に過ごすことができました。しかし、年々気温は上昇して、今では木曽でもエアコンを付けている家も増えています。これは、地球が温暖化しているせいで、それは大気中の二酸化炭素量が増えていることが原因になっています。
二酸化炭素の排出量を増やしているものには、私たちの生活を便利にしてくれている車も含まれています。
このように、今地球ではさまざまな問題が起こっています。これらの問題をこのままにしておくと、私たちの孫や、そのまた孫など、未来の世代の人々はもしかすると地球では暮らせなくなってしまうかもしれません。
そこで、今のままの暮らしやすい地球を維持するために生まれたのがSDGsです。
SDGsには大切なキーワードがあります。それは「誰一人取り残さない」というものです。たとえば「貧困をなくそう」という目標について。9割の人が貧困から脱出したら達成ではありません。最後の1人が貧困から抜け出せるまで、取り組み続けなければなりません。
誰1人取り残さない、ということは、地球に住む私たち全員が取り組まなければ目標は達成できない、とも言えます。
では、私たち1人1人にできることとは、どんなことがあるでしょうか。
消費者にできること
「2. 飢餓をゼロに」に対して
飢餓というと、どこか遠い世界で起きていることのようで「日本人の私には関係ない」と思うかもしれません。ですが、もしかしたらその遠い世界の飢餓の原因を、私たち日本人が作っているかもしれないのです。
日本などの経済的に豊かな国では、本来なら無駄にはならないはずの食料を、日々大量に廃棄しています。それは、必要な量以上に食料を買っているからです。食べきれずに廃棄した分の食料を、本当に食料が必要な人々に最初から届けることができれば、飢餓で亡くなる人はもっと減るはずです。
スーパーに買い物に行ったときに、「今日、卵が特売だわ! 家にまだあるけれど、とりあえず買っておこう」と言って必要のない卵を購入し、結局使わずに捨ててしまった、という経験はありませんか? 今度から買い物をする際は、必要な分だけ食料品を購入するようにしてみてください。
私たちが必要な分だけ購入するようになれば、お店側も「こんなに仕入れても売れないから」と仕入れる量を減らし、今度は商品を作る側が原材料の仕入れ量を減らし…… というように連鎖し、最終的に余った食料が飢餓で苦しむ人々へ行き渡るかもしれません。
「13. 気候変動に具体的な対策を」に対して
温暖化の原因は、大気中の温室効果ガスの増加です。二酸化炭素の排出量を削減する方法は色々ありますが、私はお勧めするのは、「地産地消」です。
地産地消とは、地元で生産されたものを地元で消費することです。地産地消がなぜ気候変動対策になるのかというと、商品の輸送距離が減るからです。木曽で採れた野菜を名古屋や東京に出荷するとなると、野菜を運ぶときにトラックで長距離移動することになります。その間にたくさん温室効果ガスが発生します。ですが、木曽で採れた野菜を木曽で販売して、木曽の人がそれを買えば、輸送距離は短くなり、温室効果ガスの発生量も減ります。野菜に限らず、お菓子などの商品も、ぜひ地元のものを選んでみてください。
「14. 海の豊かさを守ろう」「15. 陸の豊かさも守ろう」に対して
最近ニュースでよく聞く「プラスチックごみ」。何が問題なのでしょうか? 生ごみとは何が違うのでしょうか。
生ごみは、虫が食べたり、微生物が分解したりして、いずれ土に還ります。でも、プラスチックはほぼ永久に自然に還ることがありません。だから、プラスチックごみは問題なのです。
木曽町には海がないから「14. 海の豊かさを守ろう」は関係ない、と思うかもしれませんが、無関係ではありません。道端に捨てたビニール袋は、風が吹いたり、雨が降ったりして、木曽川に流れ込みます。木曽川に流れ込んだビニール袋は、太平洋に流れ着きます。今度は海の生き物が、ビニール袋を餌と勘違いして食べます。そして、人間がその魚を捕まえ、食べます。私たちは知らないうちにプラスチックを食べているかもしれないのです。
プラスチックごみをポイ捨てしなければ良いのですが、それ以前に、プラスチックごみを出さなければ良いのです。そのために、マイバッグ・マイボトルを持ち歩いてください。スーパーでレジ袋をもらわない。外出先で喉が渇いたら、持参した水筒の飲み物を飲む。少しの心がけで、プラスチックごみを減らすことができます。
「10. 人や国の不平等をなくそう」に対して
「人や国の不平等をなくそう」というと、政治家が取り組むような大きなテーマに聞こえますが、消費者にもできることがあります。むしろ、消費者にしかできないことです。
最近、Tシャツ1枚300円、スカート1枚500円など、とても安い価格で服を販売しているお店がたくさんあります。でも、なぜそんなに安く服が買えるのでしょうか?
2013年に起きた「ラナ・プラザ崩壊事件」をご存じでしょうか? ラナ・プラザは、バングラデシュという国にあったビルで、そのビルには洋服の縫製工場が入っていました。ラナ・プラザは、耐震強度のない粗悪な建物で、数千台のミシンの振動によってビルは倒壊しました。そこで作られていた洋服こそ、先進国で破格の値段で販売されている洋服だったのです。亡くなったのは1,100人以上。彼らの月給は、日本円で3,900円程度だったそうです。
一方で、彼らの50~100倍ほどの給料を得ている先進国の私たちが、1枚300円程度の洋服を買っている。なんだか、すごく不平等な話だと思いませんか? でも、そういう服を買う人がいるから、劣悪な環境で過酷な労働を強いている会社はいつまで経ってもなくならないのです。
だから、買い物をするときにはできるだけ信頼できる会社の商品を買うように心がけてみてください。悪いことをしている会社の商品を買わなくなれば、その会社は潰れるか、良い会社になろうと努力するはずです。悪い会社を葬るのは、消費者にしかできないことです。
まとめ
SDGsを達成するために、消費者としてできることを4つご紹介しました。
- 必要な分だけ食料品を購入する
- 地産地消
- マイバッグ・マイボトルを持ち歩く
- 信頼できる会社の商品を買う
そして、最後に1つ意識してほしいことがあります。それは、「買い物=選挙」ということです。
選挙のとき、どの人に投票するか、どうやって決めますか? 何も考えずに適当に投票しますか? きっと「この人が当選したら、社会はこう変わるはず」と考えて投票しますよね。買い物は、それと全く同じです。
悪い会社の商品を買い続ければ、その商品を作っている会社は「消費者に支持されている」と思って悪いビジネスをやめようとはしません。しかし、誰も彼らの商品を買わなければ、その会社は潰れます。逆に、社会にとって良いことをしている会社の商品をみんなが買えば、その会社は成長し、社会は良くなります。
買い物をするときは、「この商品を買ったら社会にどんな影響があるだろうか」と考えながら買い物をしてみてください。

参加者からいただいたご意見
- いつも意識することは難しいけれど、ときどき思い出して買い物をしてみたいと思いました。
- 普段はなかなか聞くことのない話を聞くことができて良かったです。
- SDGsのことをもっと知りたいと思いました。
講演会をしてみての感想
今回の講演会の参加者は、田舎の70~80代の女性でした。この層の人々に対して講演会をするのは初めてのことで「あまり興味がないのではないか」とか、「SDGsという横文字な時点で拒絶されているのではないか」と心配していました。しかし実際にやってみると、講演会中、参加者のみなさんはとても熱心にメモをとりながら話を聞いてくださいました。問いかけに対して答えてくれる方もいました。
講演会が終わったあとは、温かく受け入れてくださった皆様に感謝の気持ちでいっぱいでした。
私は普段は、青年海外協力隊の体験談を元に様々なテーマの講演会を行っています。ですが、青年海外協力隊のことを全く話さない講演会は、今回が初めてのことでした。ですが、今回やってみて「青年海外協力隊体験談以外の講演会も意外とできる」とわかりました。
今後はSDGsというテーマでも、講演活動をしていきたいと思いました。