青年海外協力隊と地域おこし協力隊の類似点がめちゃくちゃ多かった件

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はじめに

私は2014~2017年の2年6ヶ月間、西アフリカのガーナで青年海外協力隊として活動をした。そして2020年現在、地域おこし協力隊として、長野県木曽町に移住し活動をしている。同じ「協力隊」というという名前が付くだけあって、非常に類似点が多い。ここでは青年海外協力隊と地域おこし協力隊の類似点についてをお話する。

「協力隊」の類似点7つ

その① 配属先がある

青年海外協力隊も、地域おこし協力隊も、主となる配属先がある。

青年海外協力隊地域おこし協力隊
母体国際協力機構(JICA)総務省
要請元ガーナ共和国長野県木曽町
配属先Technical
Vocational Institute
道の駅
要請内容ICT教員情報発信
(例)青年海外協力隊と地域おこし協力隊の比較表

その② 自由!何でもできる

青年海外協力隊も、地域おこし協力隊も、要請内容はある。しかし、必ずその要請内容をこなさなければならないわけではないし、要請以外のことをしてはいけないわけでもない。

年間活動計画も、1日のスケジュールも、すべて自分で決められる。誰からも指示を受けることはない。どれだけ休んでも、どれだけ働いても良い。

その③ 時間がたっぷりある

  • 仕事にノルマや期限がほぼない
  • 残業がほぼない
  • 通勤に時間がかからない
  • 飲み会の頻度が低い
  • 仕事終わりに遊びに行く場所がない

上記はガーナでも木曽町でも共通していることだが、これらの理由により、昼夜を問わず自分の時間がたっぷりある。

その④ 生活が不便

途上国か、田舎か。日本の田舎町も、東京と比べたら途上国だ。田舎のコンビニはConvenientではない。最寄のコンビニまで車で15分かかるのだから。ちなみに車を持たない人間にとって、もはやコンビニは生活圏外である。

その⑤ ITリテラシーの低さに戸惑う

ガーナの学校で働き始めて最初の定期テストのときに驚いた。テスト問題がなんと、先生の手書きなのである。そして「Adjoa、君はタイピングができるだろう?これをパソコンでタイプしてテスト問題を作ってくれ」と言う。テストの成績管理も、すべて手計算・手書きで紙に記録している。

そこで私は提案した。「それ、パソコンで記録したほうがいいよ。手計算だと間違えることもあるし、なくなったら困るでしょう。あと、手も疲れるし。」しかし、ガーナ人教員は言う。「何を言っているんだ。パソコンにはウイルスがいるんだ。せっかく記録したって、見れなくなってしまうかもしれないから、紙のほうが良いに決まっている。」郷に入っては郷に従え。結局私は、電子で成績を管理することは現状に見合っていないと判断し、諦めた。

それと似たようなことが、ここ木曽町の配属先でも起こっている。

「ECサイトの商品購入者へ、注文受付メールを送ってほしい。」社長にそう頼まれた私は、「では、注文内容を教えてほしいので、私にメールで送ってください。」と依頼する。数分後、「これを見てやってくれ」となぜか注文内容を印刷した紙を手渡しされる。受注管理画面をそのまま印刷してくれたらしい。どうやら、受注管理画面のテキストを選択してメール本分にコピペするという方法を知らないようだ。「紙を見て内容手打ちすると、見間違い・打ち間違いが起きますから、コピペが良いですよ」とコピペのやり方を見せる。しかし、「そうかぁ。なんだか複雑でわからんなぁ。」と彼は言う。やはり郷に入っては郷に従えか。自分の価値観で物事を他人に押し付けてはいけない。ここでもITリテラシーの改善を諦めたAdjoaであった。

その⑥ 人脈が広がれば活動の幅も広がる

まずガーナでの経験を話す。ガーナでは、当初自分の配属先の学校だけに留まりながら教材開発を行っていた。しかし、日本の教育委員会に当たるGES(Ghana Education Service)の職員と知り合いになり、別の学校にも自作教材を広めることができるようになった。また、近所の学校の校長先生と知り合いになったことで、学校対抗のクイズ大会も開催することができた。

木曽町では、議会で知り合った人が手作りマスクをしているのを見かけ、マスクを手作りしているおばあちゃんを紹介してもらった。そのおばあちゃんにマスク製作を依頼し、配属先である道の駅に手作りマスクを商品として置かせてもらうようになった。

などなど。

自分1人だけでは貢献できることが限られているが、協力隊の活動は、人脈が広がるほどに活動の幅も広がる。(これは協力隊というより一般論かもしれない。)

その⑦ 地元の人が地元の食べ物をくれる

ガーナにいたとき、「Adjoa、バンクーは食べたことあるか?ない?じゃあ、1つ持っていけ。食べてみろ!」というようなやりとりがよくあった。木曽でも同様である。「何!コシアブラを知らない?じゃあ持っていって食べてみろ。」なんていうやりとりがしょっちゅう。

どちらも、自慢の食べ物・食材を外の人に知ってもらいたいという点が共通しているのだろうか。素晴らしい地元愛である。

結論

青年海外協力隊と地域おこし協力隊の類似点はめちゃくちゃ多い。

だから、青年海外協力隊を先に経験した自分は、「ああ、次はこれが来るな」となんとなく予測できる。たとえば、赴任から3ヶ月は目に映るもの、経験することのすべてが新鮮で面白い。しかし、半年もするとそれらが当たり前になり、今度は嫌な面ばかりが気になるようになる。時間通り動けないガーナ人、約束が約束でないガーナ、…等々。「ガーナ人は、楽観的過ぎるからいつまで経っても途上国なんだ!」とガチ切れしていた自分を思い出す。青年海外協力隊員だったころの自分を振り返りながら、地域おこし協力隊員としての残りの日々を過ごしたい。

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